朝鮮外務省談話の意味するもの
終戦宣言問題は優先的な課題


 歴史的な朝米首脳会談から三週間が過ぎた七月六日・七日、平壌においてシンガポール共同声明を履行するための朝米高位級会談が開催された。米国側からはポンぺオ国務長官が、朝鮮側からは金英哲朝鮮労働党副委員長らが出席した。会談後報道された両国のコミュニケには大きな隔たりがあり、前途にはまだ乗り越えねばならない困難と曲折があることを予測させた。
 ナウアート米国務省報道官によれば、朝鮮の「非核化に向けた取り組みの検証」などを進めるための米朝両政府による作業部会を設置したとのこと。非核化について、「すべての重要な分野で進展があった」とした。(以上『朝日』記事)それにたいし朝鮮外務省スポークスマン談話(左記掲載)では、朝米会談で見せた「米国側の態度と立場は、実に残念極まりないものだった」と評価した。朝鮮側は、六・一二共同声明の「全ての条項のバランスの取れた履行のための建設的な方途」として、特に、「朝鮮半島での平和体制構築のためにまず朝鮮停戦協定締結六五周年を契機に終戦宣言を発表する問題」を提起したことを明らかにしたが、米国側は、「情勢の悪化と戦争を防止するための基本問題である」そのことには一切言及せず、「すでに合意された終戦宣言問題までいろいろな条件と口実を並べ、遠く後回しにしようとする立場を取った」。朝鮮外務省談話における米国批判の中心には、この「終戦宣言を一日も早く発表する問題」があった。なぜなら、それは「強固な平和保障体制を構築するための最初の工程」であり、「朝米間信頼構築のための優先的な要素」で、「七〇年もの間続いてきた朝鮮半島の戦争状態にピリオドを打つ歴史的な課題として、北南間の板門店宣言にも明示されている問題」だからである。
 この朝鮮側の正当な態度表明に対し、日本の商業紙は、「またしても北朝鮮が難癖をつけてきた」式の論調で、「北の遅延戦術に対処が必要だ」(『読売』)、「北の非核化へ結束緩めるな」(『日経』)等の社説をかかげ、「完全な非核化」に向け「具体的な行動を起こそうとしない」朝鮮側を責め(『毎日』)、「トランプ政権は安易な妥協をしてはならない」(『朝日』)と説教を垂れる。
 過去の朝米交渉もそうだが、どちらの側が誠実に交渉に臨んでいるのか、正確に見極めねばならない。【編集部】

(『思想運動』1026号 2018年7月15日号