イスラエルのガザ制圧を許すな!
労働者・労働組合はパレスチナ連帯の行動を
8月21日夕刻、全国一般・全労働者組合(全労)主催のイスラエル大使館抗議行動が行なわれた。この行動は2024年1月から毎月全労が行なっており、労働組合がパレスチナ人民に連帯してとりくむ数少ない行動の一つである。
大使館から100m余り手前の路上で、相変わらず警察による不当な阻止線がはられるなか、この日の行動には東京労組、中部全労協(千代田区職労)の仲間も参加した。
折しもネタニヤフ政権が閣議の承認で20日に6万人体制の地上軍を配置しガザ市の再制圧を強行するという緊迫した情勢であることが、行動の冒頭主催者から告げられた。
大使館に向けて「虐殺をやめろ!」「ガザからの即時撤退を!」と声をあげると同時に、足早に行き交う住民や近隣で働く労働者に向けて参加者がマイクで語りかけた。
23年10月7日から、判明しているだけで6万人を大きく超える人びとを虐殺し、食糧供給を組織的に妨害し飢餓という「武器」で人びとを殺し続けるシオニスト国家。参加者は、そうした凄惨な現実に対する痛みとともに、世界中がそれを知りながら止めることができないことへの忸怩たる思い、憤りを一人ひとり吐露した。そして、日本政府がイスラエル製武器導入や資本投資などを通じてイスラエル国家を支持し「西側諸国」の一員としてジェノサイドに加担していることを糾弾した。
「なぜ、こんなにも残虐なイスラエルによる侵略、虐殺がほしいままにされているのか。それは、アメリカを中心とする国ぐにの侵略戦争体制が、戦後80年のあいだも変わらずに世界に残っているからだ。そして、日本もかつて朝鮮をはじめとしたアジア諸国を侵略・植民地支配し、今のイスラエルのようにジェノサイドを行なった。そうした侵略戦争を引き起こす仕組みは変わっていない」という発言に「そうだ!」と応ずる参加者。
その発言を聴きながらわたしは、本紙2024年1月1日号掲載の黄貴勲さんの論文の次のような言葉を想起した。「現在のガザの光景、イスラエルの暴虐は、かつての日本帝国主義の朝鮮侵略・植民地支配とシンクロ(同期)して見える。」朝鮮人を殺し尽くし・焼き尽くし・破壊し尽くし、抵抗の芽を摘むために子ども・女性をも皆殺しにする。時空を超えて、日本帝国主義とイスラエルのジェノサイドはまさに同期している。さらに敗戦後、日本が戦争責任を棚上げにし続け、その植民地主義を強めている現在が、そうした「映像」をいっそう色濃く在日朝鮮人の眼に映じさせている。そしていま再び、朝鮮・中国への戦争準備を急速度で進める日本が「アジアのイスラエル」なろうとしている。そうした動きに何としても抵抗し、日本の戦争責任追及、反戦・反帝国主義の運動をひとつのものとして取り組んでいこう。
労働現場での搾取強化と侵略戦争の遂行は、資本の利潤極大化の欲求にその根本原因がある。労働者・労働組合が職場闘争と反戦闘争を車の両輪として闘う階級的根拠がそこにある。
最後に、先日虐殺されたアルジャジーラのシャリーフ記者ら報道クルーの名を読み上げ、かれらを含め虐殺された人びとへの追悼をこめシュプレヒコールをあげた。
【米丸かさね】
(『思想運動』1116号 2025年9月1日号)
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