強暴化する沖縄反基地闘争潰しと断固闘おう!
山城議長の不当拘束・逮捕を糾弾する
運動への弾圧は新たな段階に
                      

 2月22日、名護市辺野古のキャンプシュワブ・ゲート前で山城博治沖縄平和運動センター議長と男性1人が米軍により不当拘束された。その後名護署に「刑事特別法違反容疑」で逮捕・拘留され、翌日釈放された。
 これは明白な、基地建設反対運動つぶしのための狙い撃ち弾圧である。わたしたちは非常な怒りをもってこれを糾弾する。
 「米軍自身によって、これほどあからさまに乱用されたことはない」(『沖縄タイムス』2月24日社説)と指摘されるほど、今回の刑特法の恣意的利用による弾圧は、沖縄の運動の高揚に対する米軍側の焦燥の裏返しでもある。しかしそれ以上に今回の弾圧は、侵略戦争を拡大する米帝国主義の、沖縄における運動弾圧が新たな段階に踏み込んだことを示す。安倍政権の戦争政策と連動しながら増長・強暴化していることは明らかだ。またそれは同時に、新基地建設反対の意思を示し続け、闘いを生み支えている広範な沖縄の人びとに対する卑劣な政治的恫喝に他ならない。
 しかし弾圧に屈せず、2800名の結集でその日の集会の成功がかち取られたことは、沖縄の闘いの不屈の力を示すものである。その力が、地検に山城議長の起訴を断念させ翌日の釈放にいたらしめたことを確認したい。
 この不当な事態に対し、本土マスメディアは一部を除きNHKを筆頭に無視・黙殺を決め込んでいる。「報道しない」というかたちでのメディアコントロールは、隠蔽という報道犯罪である。本土マスメディアは、米帝国主義とともに戦争体制づくりに奔走する安倍政権の完全な下僕としての役割を果たしている。
 今回沖縄でこのようなかたちで現われた米軍の暴力は、アジアで、欧州で、中東で、中南米で、アフリカでどのように現われているか。現地反動勢力と結んだ謀略的な方法で、あるいはむき出しの武力を使って現地で帝国主義の支配に抵抗する人びとを惨殺する。またNATOや同盟国の軍隊も同様の犯罪行為をくり返している。世界中で、反戦・平和活動家が軍隊に拉致・拘束され殺害される事態が無数に起こってきた。
 今回の辺野古での弾圧は、本質においてそれと同じ意味・重大さをもつ。反戦・反基地運動の核心部分を抹殺対象とする意図が、明確にはらまれた行為であるからだ。米軍は、紛れもなく辺野古の闘いを標的としてとらえ、いま米軍が日本でなし得る最大限の弾圧を加えたのである。
 日本でそうした暴力が、この時期に沖縄で行なわれたことの歴史的な意味・重大さをもはっきりと確認したい。海外で侵略戦争を拡大しようとする国家・軍隊は、国内においては、抵抗する人びとを弾圧するための治安体制を強化する。そのことは日本の近現代史が明示している。いま沖縄で、安倍反動政権と米軍の結託により、強権的人民弾圧が新たな段階に進んだ。しかも琉球侵略支配・差別・収奪の歴史の上に基地を押し付けてきた、その長い抑圧の歴史の上にである。山城さんらへの弾圧にその何重もの意味と歴史を重ねて見るとき、わたしたちの闘う覚悟はより固く鋭利に研ぎ澄まされなければならない。 【編集部】

(『思想運動』953号 2015年3月1日号)