フィデル‐カストロ前議長を悼む

 キューバ革命を率いプロレタリア国際主義を身をもって実践してきたフィデル‐カストロ前国家評議会議長が十一月二十五日死去した。この日は、奇しくも六〇年前、フィデルら八二名の同志がバティスタ米傀儡政権打倒をめざして「グランマ」号でメキシコを出発した日である。享年九〇歳であった。
 一九五九年に独立と尊厳を勝ちとったキューバ革命は、米CIAに後押しされ反革命軍が侵攻した一九六一年のプロヤヒロンの闘いに勝利し、「社会主義」を宣言した。米国は半世紀にわたり国交断絶と封鎖、軍事侵攻、グアンタナモ基地違法占拠継続の敵対政策をとり、フィデルに対する暗殺計画は六三八回にもおよんだ。オバマ政権下の国交回復後も米議会は封鎖解除政策を承認せず、グアンタナモ基地閉鎖も実現していない。
 フィデルは今年四月、第七回キューバ共産党大会で、公の場での最後となった発言「キューバ人民は勝利する」を、「われわれは引き続き前進を続けよう。完全を旨とするときは完全に、最大の忠誠と統一を守りながら」と結んでいた。
 一九六〇年代以降、ベトナム・朝鮮とともに、世界の反帝闘争の最前線に立ちつづけてきたキューバ革命の足跡は、こんにちなお、わたしたちの進むべき道を指し示している。 【編集部】

(『思想運動』992号 2016年12月1日号)